国産材, 塗装材

スギの塗装

焼杉仕上げ

スギ材の特性を生かした仕上げ法に焼杉仕上げがある。針葉樹の場合、一般には春材部と夏材部の硬さの差が大きいため、平面的な塗装を施すと春材部に傷が入りやすい。焼杉仕上げも一種の薬品着色で、この場合は塩酸が使用される。8%程度の塩酸をスギ材に塗布し、乾燥しないうちにバーナーの炎で焼く。塩酸が塗布されていると夏材部が濃色となる。その後、表面に「うずくり」を掛け、表面を凹凸にし、ウレタン塗装を施す

時代仕上げ

広葉樹の環孔材に用いられる時代仕上げの技法を針葉樹向けにアレンジすると、見本のような仕上がりが得られる(本誌041頁参照)。焼杉仕上げに用いられる「酸焼き」と「うずくり」を施した後、濃色の溶剤系着色剤を塗布し、ほとんど真っ黒にしてから、水性の砥の粉目止め剤に、若干、色付けしたものをワイピングする。仕上げはワックス磨きかラッカー艶消し塗料の薄塗りを行う。

神代色薬品着色仕上げ

天然の神代杉は貴重材だが、人工的にこの神代色を発色させる方法が、石灰乳と重クロム酸カリウムによる薬品着色法である。特に心材部分の発色がよく、夏材部を濃色に発色させるためには薬品着色法しかない。塗装は無黄変タイプのウレタン塗装である

タークオリーブ色仕上げ

顔料着色剤による針葉樹材の着色仕上げは、春材部が濃色になってしまう。本来は薬品着色のように夏材部を濃色に表現したいが、簡便着色法なのでやむを得ない。スギ材特有の軟らかさから、テーブルなどの家具への使用にはやや無理があると思われるが、壁材やラフな家具にはこのような顔料着色が適当である

 

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