時代仕上げ
玉杢が生じやすいタモ、キハダ、ヤマグワなどの仕上げに時代塗りという技法があった。素地着色は重クロム酸カリウムや阿仙薬(あせんやく=タンニンの一種)を用いて薬品着色を行った後、ウッドシーラーを薄く塗布してから道管に砥の粉目止め剤を擦り込む。一種の白目出し仕上げであるが、上塗りを厚塗りすると道管の白さが失われてしまうので、上塗りはワックス仕上げやラッカーの薄塗り仕上げを行う
![時代仕上げ](http://wood.boy.jp/wood/wp-content/uploads/2022/03/00109600.jpg)
根来調黒目出し仕上げ
木理は通直だが、淡色で肌目も粗く、均一な素地着色がしにくい材である。そのため、エナメル塗装で色付けを行うが、単一色では素材感が得られないので、道管を利用して2色のエナメルで漆の根来(ねごろ)塗りの感じを表現した。根来塗りとは逆にブラウン色を先に塗装し、後から薄く黒色を塗装する。これをサンドペーパーで研磨し、道管部分に黒色を残して、クリヤーを上塗りする
![根来調黒目出し](http://wood.boy.jp/wood/wp-content/uploads/2022/03/00109700.jpg)
赤目出しブラック仕上げ
タモは中間的な着色では色ムラになりやすいので、ブラックの仕上げとしてみた。木質感を出すため道管に赤色の目止めを施している。目止めの赤色をはっきりと表現するために、下地の黒色をあまり厚塗りすることはできない。そのため、染料系着色剤ブラックで素地着色してから黒エナメルを薄くスプレーしている。上塗りはポリエステルの磨き仕上げである
![赤目だしブラック](http://wood.boy.jp/wood/wp-content/uploads/2022/03/00109800.jpg)
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